ブリコラージュ的な知やパフォーマンスについて,研究・実践しています。

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研究所概要

ブリコラージュ(Bricolage)とは,フランス語で、身の回りにある有り合わせのもので何かを作ったり修繕することで,「器用仕事」と訳されることが多い.日曜大工、D.I.Y.の意味でも使われる.レシピやマニュアル,設計図などをもとに(設計),必要なものを揃えて(調達),製作するエンジニアリングとは反対に,その時,そこにあるもので何が作れるかを考え,あるものを全く別の使い方で利用てみたり,とるに足らないものを組み合わせてみたりトライアンドエラーを繰り返しながら創造していく行為である.美術での,雑誌や新聞の切り抜き,布や動物の毛など様々なものを貼り付ける「コラージュ技法」の考えであり,おばあちゃんの知恵袋的なもの,エコロジー的な思想とも親和性が高いと言える.

この語を有名にしたのは,人類学者レヴィ・ストロースである.『野生の思考』の中で,世界各地に見られる,端切れや余り物を使って,その本来の用途とは関係なく,当座の必要性に役立つ道具を作ることを紹介し,ブリコラージュと呼んだ.彼は人類が古くから持っていた知のあり方,「野生の思考」をブリコラージュによるものづくりにたとえ,これを近代以降の科学的思考と対峙させている.
科学的な思考に振り子の針がふれている現代社会においては,ブリコラージュ的な知やパフォーマンスが求められている.